2007/12/23

CEAの剥離は縦方向に

CEAの血栓を剥離する時は,主に縦方向が良いようです.北海道大手の某記念病院ではそのようにしているそうです.
縦方向に剥離した方が,剥離すべき層を確認しながら,残す中膜が薄くなりすぎないようにできます.
もちろん,顕微鏡を動かして,はがすところをしっかりと直視下におさめるのは必須です.
最初にはがすきっかけをつくる時は横方向でもいいと思います.
ただし,そのまま横方向ではがし続けると,思わぬ層に入り込んで,残す層が薄くなりすぎて穴が開くおそれがあります.

2007/12/05

Temporary clipの原則


ついついテンポラリー(Temporary clip)はかけないで行きたくなることも多いですが,破裂や動脈瘤が大きい場合は躊躇しないでテンポラリークリップをかけるようにしたいものです.
テンポラリークリップをかける原則ですが,動脈硬化の部分は挟まないようにとか,もちろん,穿通枝(特にHeubner!!)は絶対にはさまないようにとかありますね.
あんまりいっぱい使うと,けっこう手技のジャマになりがちです.
ちょっと曲がったテンポラリーを使う場合には,図のように,挟む部分は視野の中に入れて,挟んでる部分がしっかり見えるように,かつ,Clip headは手技の邪魔にならないように,なるべく動脈瘤から遠いところにするようにしてみましょう.

2007/11/19

Lateral suboccpital 体位のキモ

Facial spasmのMVDやVA-PICA ANの手術ではLateral suboccipital approachですが,体位のコツを掲載します.
頭部は3点ピンで固定します.

いきなり最大のキモですが,頭部を回旋させません.昔は,Park bench positionの様に頭部をやや下に向けて回旋したそうです.その方がのぞき込みやすい感じがしますが,小脳がかぶってきてしまいます.最近の流行は,頭部の前後方向は水平です.


頭を水平に向けて,そこから回旋させず,頭頂部側のみ下に下げます.
肩は足側に引きます.

















頭部(顔面)を下に向けるように回旋させると(だめじゃないですが),小脳が手前からかぶさってきてしまいます.

2007/11/09

STA-MCA吻合はかかとから

STA-MCA吻合のStay sutureは,先にSTAとMCAの角度がせまい,STAの「かかと側」(左図①)から縫った方がよいようです.
先に「つま先側」(左図②)から縫うと,「かかと側」がせまくてとても縫いづらく,遮断時間が長くなってしまう一因になります.



遮断時間を短くするためには,こんなささいな工夫の積み重ねです.

2007/09/23

開頭血腫除去のコツ02

血腫は必ず見えているところでとる.
Croticotomyをして血腫のあるところまでたどり着いたら,脳ベラなどで,血腫のギリギリ上で皮質を引きます.(図では手前に引いています)引いた分だけ血腫が押し出されるように,出てきます.
直視下の血腫を太めのサクションで吸い出します.
大事なことは,直視下にある血腫のみを吸ったりとったりすることです.
血腫をどんどん吸引して,追いかけていきたくなりますが,脳でブラインドの部分には決してサクションをつっこんではいけません.見えない血管を引き抜いて出血したら,処置に難渋します.直視下の血腫が無くなったら,今度は違う方向の皮質を引いて,出てきた血腫をとりましょう.
余計なトラブルがないことが,血腫取りを早く終わらせるこつの一つです.

2007/09/09

サクションでカウンター

動脈瘤があらわになり,Neckを確保して,クリップを選んで,一回クリップを当ててみて,一息ついて,それではクリップをかけます!
クリップをかけるときに,左手は何を持って何をしてますか?
クリップを速く確実にかけるために,左手を気にして積極的に使いましょう.
その一つとして,クリップを挿入する方向と反対にNeckからカウンターをかける動きがあります.
MCAなどで動きやすい動脈瘤は,ブレードがNeckの奥に滑っていかないで,クリップと動脈瘤が一緒になって奥に動いていってしまうことがあり,そのままクリップを閉めると先端が足りないという事態になりがちです.先端が届かないからと,グイグイ押していると破ってしまうおそれもあります.
そこで,サクションを使ってカウンターを当てて,確実にかけるようにします.
特に有効なのは,図の下側の動脈瘤のように,Neckのはっきりしない滑りやすい動脈瘤です.このような動脈瘤は滑りやすいので,逃げられないようにしっかりとカウンターを当てましょう.
カウンターを当てるところはNeckよりすこしProxymalの母動脈がいいと思います.もちろんDomeそのものに当てるのは危険です.Neckも裂けるかもしれないのでやめた方がいいです.

・・・それと,左手に何を持つかという問題があります.それまでの手術の流れで細いサクションを左手に持っていることが多いかと思いますが,カウンターを当てるには引っかかりが悪いので,玉突き棒のような別のデバイスが使いやすいです.破れてしまったときには,細いサクションでは対応できないので,思い切ってサクション以外のものを持ってみるのをおすすめします.

2007/08/31

動脈瘤へのアプローチは,「血管から離れない」

動脈瘤に近くなってきて,親動脈を確保できたら,Neckに近づきますが,このときの鉄則は「血管から離れない」です.
左図はAcomに対する右Pterional app.です.
両側A1を確保して,血腫に埋もれたANに近づいています.もちろんDomeは血腫に埋まっているのでどこにあるのかわかりません.安全・確実に近づくには,玉突き棒(棒やヘラでも良いですが)を血管から離さないようにしましょう.先端を血管にあてつつ,血腫をめくっていきます
くどいようですが,血管から離れないようにしておけば,いきなりDome先端をいじって破ることはありません.

そんなことは常識のようですが,疲れて集中力が無くなっていたり,夜中の手術で早く終わらせたい気持ちが入ってくると,血管をなぞっていられなくて,近道して血腫に向かってしてしまうことがあるのですよ.やってる本人は無意識で,吸い込まれるように血腫をいじり出すことがありがちです.くれぐれも気をつけて!


こちらは右IC-pcと思ってください.ピンクの矢印(ちょっと見づらいですね)のようにいきなりDomeに向かっては行けません.
丁寧に血管に沿って少しずつ血腫をNeck,Domeに向かってめくり上げていきます.スカートをめくるようにと言う話があるとかないとか・・・
めくって血管から浮いた血腫は,切って開いて視界を良くするようにしましょう.

2007/08/19

CEA 内シャントチューブを入れやすくするには

CEAで緊張するときは,内シャントを挿入するときです.
血管を遮断時間を短くしたい中で,
1.CCA~ICAの血管壁を切る.
2.PlaqueのDistalで内頚動脈の正常内膜の部分を確認.
3.内シャントチューブをICAに入れる.バルーンはちょっとだけ,血液の逆流確認.
4.CCAにシャントチューブを入れる.バルーンをしっかり入れて,血液の逆流を確認して再開通.ようやく一息つけます.


ここでトラブル起こりがちなのがICAにシャントを入れるとき.
このように,それなりに急いでいるときに,シャントチューブがICAになぜか入っていかないことがあります.
そんな時に,チューブをグイグイ押すのは,もう絶対に禁止です.
押しすぎるとICに穴が開いてしまうことだってあるのです.あくまでやさしくそおっと入れること.
ちょっとしたコツは,図示の如く,ICAとなるべく平行にチューブを入れること.ICに対してなるべく角度をつけないように,手前から低い位置にしておくことです.

2007/07/27

バイポーラの使い方Tips~手前の血管を焼かないように~

止血したいところの手前に血管があって,一緒に通電してしまう位置関係になってしまうことがあります.
この状況に気づかないと,結構太い静脈をつぶしてしまうおそれがあります.
または,それを避けようとして,あらぬ方向からバイポーラを術野に入れて,なかなか止血できない事態に陥ります.







そんな時は,バイポーラを長軸に90度回転させて,焼きたくない血管にはバイポーラが片側しか接触しないようにしましょう.
これで,無理のないバイポーラのポジション,方向で止血できます.
ただ,どうしても脳表を面で焼きたい時は,バイポーラを縦に出来ないので,バイポーラを入れる方向を工夫する必要があります.

2007/07/05

サクションの使い方その1 「サクション先行!」

マイクロ手術の肝であるサクションの使い方です.
私たちはサクションを積極的に使用しています.
基本的に,あらゆるところでサクションを先行させて,視野をよくしていくという戦法です.
たとえばSylivius裂の剥離ですが,くも膜に一太刀入れたら,その下は「どんどんサクションを入れて」行きます.
SAHだったら血腫を吸って吸って,動脈を露出させ,Trabeculaをさばいていきます.
未破裂脳動脈瘤でもくも膜下にサクションを先行させ,髄液を吸ってSylvian fissure内に空気が入るくらいにして,血管とTrabeculaを見やすくします.

コツは,バイポーラより先に,深くサクションを入れ続けるようにすることです.

くも膜や血管をバイポーラで剥離するときに,上記のことを意識しないと,ついバイポーラより手前でTensionをかけがちです.

そうではなくて,バイポーラより深くサクションを入れて,視野をよくしておいて,サクションの先端ではなく,腹のところで脳や血管にTensionをかけるようにします.

今回は,とにかくサクションを先行させることをお伝えします.また,別の機会に詳しく述べたいと思います.

2007/07/01

脳神経外科速報 2007 7号


脳神経外科速報 第7号 「休日向上計画」に「脳外科医の料理教室-料理上手は手術上手?」のタイトル2ページのコラムを書かせてもらいました.

料理を通じて手術がうまくなる方法が,脱力感に満ちた文章で書いてあります.

2007/06/20

クリップは,視野を替えて横から見てかける

Neckを確保して,クリップを入れるスペースを作りました.さあ,クリッピングです!という場面です.
クリップを入れるスペースを確認できる視野は限られることが多く,一方向しかないことが多いです.
左図①のように,クリップを入れる方向と同じ視野(クリップ越しに見る,またはクリップとタンジェントに見る)のまま,クリップ挿入することが多いかと思います.私も以前はそうしてました.それで,クリップを閉じながら,クリップ先端が届いているかをのぞくように確認してました.

しかし,クリップを垂直に見る方向の視野にすると(左図③),クリップの深さがわかりやすくなります.なので,クリップを入れる方向,スペースを確認したら,思い切って視野を左にふって(左図②),クリップを挿入して閉めましょう(左図③).MCAでは特に有効ですが,Acomでもなるべくマイクロを左に振った方が良いです.
施設によっては,①の状態でクリップを差し込んで,右手をそのままにして,左手でマイクロを動かして視野を変えて,クリップを閉めるところもあります.しかし,このように,クリップを持ったままマイクロを動かすのは危険ですべきではないという意見もあります.
私は,そんな難しいことは出来ないので,視野を左側にしてから改めてクリップを差し込んでます.

2007/06/08

脳神経外科速報6月号


突然ですが,脳神経外科速報6月号に記事を書きました.論文ではありません.お薦めの本を1冊紹介するコーナーで,「ウェブ進化論」という本を紹介させて頂きました.
来月は脳外科医の料理についてのコラムが載る予定です.
http://www.medica.co.jp/sub/detail2.php?nid=0702001659&id=0702001659&shuruiflg=2&narabi=08

2007/06/06

SugitaClip TitaniumⅡ道内で初!


なんと当院がSugitaClip TitaniumⅡを道内で初めて使ったらしいです.
このクリップ,Yasagilよりよく開いて,閉鎖圧も強いのが売りです.
実際に持ってみると,もっともっといい感じです.
まず,専用の鉗子が小さくて軽い!Clip形状は思ったよりもずっとシャープで薄い感じ.

手術で実際にこのクリップを持って,大きく開いて動脈瘤にアプライしてみると,何というか「行ける!」という感じがしてきます.これはもう,使ってみないとわからないので,是非お薦めしたいです.

2007/05/21

脳ベラ Retracter の使い方

脳ベラの使い方は学会などでよく話題になりますよね.
うちで気をつけていることも,同じような事です.札幌医大(端和夫)系列なので,バディーハローを使ってます.
今まで行った施設は,どこも基本はバディーハローで,それが間に合わない時や,脳出血などのちょっとした開頭でエレファントバーが出てきてました.

1.脳ベラは脳・骨から浮かさない.頭に沿って曲げて使う.
うっかり手で脳ベラを押してしまっても,危険が少ないように.
2.先を効かす.
脳ベラの先端付近の術野を広くして,かつ手前の脳を押しすぎないようにするため.
3.脳全体を少し手前に引っ張り気味にひくようにします.





脳ベラを脳・骨から浮かしてしまうと,手でうっかり押すと先端が脳に突き刺さってしまいます.脳どころか,動脈瘤に突き刺さるおそれも.

先端を効かさないと術野は広くならないし,そのために,手前の脳を押し込みすぎてContusionをつくったりするおそれが.










実際にマイクロで見たところ.
左上のように脳ベラ全体が長く見えるときは,良くないかかり方.
右下のように,脳ベラ全体が短く見える時は,軽い力で術野が展開できるはず.視線の方向と脳ベラの方向が一致するのです.

おすすめのDVD

脳外科単科の病院勤めだと,正直,他科の疾患で不安になることがあります.
高齢者・動脈硬化疾患の方が多いので,心臓に関しては,判断を迫られることがよくあります.
不整脈が出ているモニターや,入院時の心電図を迅速に的確に,その危険性を判断する必要があります.
心電図の知識は,卒後15年にもなるとおぼろげになってきたり,知識そのものが古くなっていることもあります.かといって,心電図の本をもう一度読み直すほどの時間はなかなかとれません.
そこでこちらのDVDがお薦めです.
「もう迷わない!好きになる心電図」
財団法人 心臓血管研究所の山下 武志先生が,若い先生にやさしくクリアに教える形式です.
ケアネットのDVDは当たりはずれがありますが,これはいいです.
内容的には,教科書的な波形の意味は後回しにして,波形のの危険度を判断して,その場でどのように対処すべきかを教えてくれます.対処といっても,「何の薬を使うか」の前に,患者さんを見に行ったり,一人で対処できないと考えて人を呼んだりといった,より臨床的・実践的な判断材料を与えてくれます.
死なない不整脈には自信を持って様子を見ることもわかります.
12誘導の最低限見るべき波形も教えてくれるので,いっぱいある波形を前にして目が泳ぐことも無くなります.
もちろん,この最低限の知識ですごすことなく,このDVDの知識をきっかけにして,さらに興味を持って改めて心電図を勉強するいい入り口になってくれます.

2007/05/14

CEAは止血をしっかり

CEAのアプローチは,もちろんマクロで手術をするわけですが,脳の手術に比べてつい止血を怠りがちです.自分では,バイポーラでねちねちと止血しているつもりですが,いつのまにか結構赤くなってます.早く内頚動脈の末梢を確保したくて,急ぎがちなのもあるかもしれません.
気をつけるべきなのは,アプローチのはく離の際は,とにかく水できれいにしながら止血をしまくって,脳の手術並みにきれいな術野を保ちましょう.
きっと結果としてその方が早く,問題なく終わるでしょう.

ところで,各動脈を確保・遮断して内頚動脈をPlaque含めて切開する時に,Plaque部分では血管内腔(血液の通る腔)を確保して切った方が望ましいと考えます.しかし,もちろん血管内腔はものすごく狭窄しているので,そこを確認しながら切開するのは容易じゃないどころか,内腔を見失ってしまうこともたびたびです.しかも,この間は遮断状態なので,あせる時間帯でもあります.
不思議なのは,この辺のことが手術書などを見ても全然書いてないことなのです.それはつまり,CEAの上手な方々は,Plaqueの切り方に特にこだわりはないってことなのですよね.血管内腔を意識しないで切り込んでも問題ないってことなのでしょうか?

2007/05/05

ロベクトミーは思い切って

Interhemispheric app.を習得しなければと思いつつ,未だにTranssylvian app.でAcom ANの手術をすることが多いです.

高い動脈瘤の時はCingulate gyrus(帯状回)のLobectomy(ロベクトミー)をします.当然,Lobectomyの向こう側はすぐに動脈瘤のDomeなので,どうしても破裂が怖くて,Lobectomyはちょこちょこと少しずつやりがちです.なるべく脳を吸引する範囲を小さくしたい心理も働くと思います
しかし!はじっこからチョコチョコ吸引していては,著しく手術が滞ってしまいます.マイクロでいっぱいとったように見えても,実際は小指の先ほどもありません.もちろん,そのくらいで症状は出ません.(と先人が言っている).
と,いうことでイラストの如く,ロベクトミーの範囲をしっかりきめて,その範囲は一気に吸ってしまいましょう.イラストよりもっと大きくてもいいかもしれません.A2やDistal neckをしっかり確かめられるところまで吸いましょう.


ロベクトミーの手順
1.吸う範囲を決める.
2.ロベクトミーの予定線のくも膜をバイポーラで凝固してはさみで切開.
3.脳皮質を太め(2~3)のサクションでどんどん吸っていく.
4.向こう側のくも膜が出るまで吸う.

動脈瘤は,ロベクトミーの向こう側のくも膜の,さらに向こう側なので,思い切って吸いましょう.

2007/04/28

動脈瘤と周囲組織の剥離の仕方

動脈瘤のNeckにたどりつき,Neck周囲,さらにはDomeと周囲を剥離してClipを入れるスペースを作ります.
この時,丁寧に丁寧に周りの血腫をめくっていこうとすると,ヘラや玉つき棒の動きが小さくなりがちです.その動きは,ついDome壁と平行に,しずしずと動かしてしまいがち.でも,それではClipを入れるスペースが小さくなるし,何より,血腫の陰に隠れていたBlebをつついて出血させてしまう恐れがあります!



動脈瘤のDome・Neck周囲組織との剥離は,垂直に行いましょう.血腫をDomeから離していくイメージで.ゆっくりと離していって,そこで突っ張ったものがあれば,鋭的にハサミで切ります.できたスペースに水が回るようにすると,思ったより広いスペースが得られます.
ゆっくりと垂直にはく離したら,隠れていたBlebをつつく恐れもありません.

2007/04/07

Neckを見る時は,視野の方向を変えながら


さあ,いよいよ動脈瘤にたどり着いたら,Clipを挿入すべくNeckのはく離に取りかかる.もちろん,NeckにはDistalとProxymalがあって,どっちも充分な幅と奥行きをはく離する必要がある.
そこで!
場面的に結構緊張していたりすることもありますが,ついつい同じ視野で両方のNeckのはく離に取りかかったりします.(両Neckの距離が近いせいもあるかもしれません.)・・・図の真ん中
しかし,DistalとProxymalの奥の角度は当然違うので,それぞれのNeckをはく離する時は,面倒くさくってもマイクロをそれぞれに合うようにこまめに振って見ることが必要です.

2007/02/06

マイクロ(顕微鏡)の視野は,開頭の角を有効に使う

顕微鏡の視野は,せっかく開頭した角のギリギリを,積極的に使いましょう.

例えば,Acom動脈瘤を見上げる場合,外側前方の角(左図の黄色い領域)を有効に使って視野を得る.













例えば,外側を向いたIC-PCやMCA ANの場合.
こんな時,視野を得るために正中側に十分な開頭が必要です.

正中前方の角(左図の黄色い領域)を有効に使って視野を得ましょう.

前頭葉と側頭葉: Sylvian fissureを開ける時の見方

Sylvian fissureを開けていくときには,視野の方向に注意します.
視野の中に,Fissure内の前頭葉と側頭葉が均等に見えるように,顕微鏡を動かしていきます.静脈をはがしたり動脈をみつけて追っかけたりと,血管の構築に気をとられすぎると,視野(顕微鏡)の方向がどちらかに片寄りすぎて,やりづらくなってきます.もう一度,脳(前頭葉と側頭葉)を見て,剥離の進むべき方向を再確認しましょう.



クリックすると大きくなります.
これは Sylvian fissureです.

2007/01/17

血管にまたがった動脈瘤は,まず奥側をつぶす



血管の上にまたがったようにNeckがある動脈瘤にクリップをかけると,どうやってもNeckが余る.その時は,視野の奥側(母動脈の向こう側)のNeckをつぶすようにクリップをかけるのが鉄則.奥側に傾けてクリップをかけるので手前のNeckが余るが,そこには後でMini clipでも追加でかけてつぶせばよい.
逆に視野に入る手前のNeckをつぶして,奥を余すと,後でどうしようもなくなってしまう.

2007/01/01

極端に太さの違う静脈は枝分かれではない・・・の法則


Sylvian veinを分けていると,細いVeinが前頭葉と側頭葉にまたがって行く手の邪魔になることがある.
一見,太いSuperficial Sylvian veinから細いVeinが枝分かれしているように見える.しかし,極端に太さが違う枝が分かれることはない.近接しているVeinの太さがあまりに違うときは,対側からループしているVeingaたまたま太い方にくっついているだけだから,剥離できることが
多い.





もちろん,細いVeinなど切ってもほとんどの場合は問題にならないから,十分な視野を得るためには躊躇しないで切ってもいいと思が,丁寧にやると太いVeinから剥離可能である.