2007/05/21

脳ベラ Retracter の使い方

脳ベラの使い方は学会などでよく話題になりますよね.
うちで気をつけていることも,同じような事です.札幌医大(端和夫)系列なので,バディーハローを使ってます.
今まで行った施設は,どこも基本はバディーハローで,それが間に合わない時や,脳出血などのちょっとした開頭でエレファントバーが出てきてました.

1.脳ベラは脳・骨から浮かさない.頭に沿って曲げて使う.
うっかり手で脳ベラを押してしまっても,危険が少ないように.
2.先を効かす.
脳ベラの先端付近の術野を広くして,かつ手前の脳を押しすぎないようにするため.
3.脳全体を少し手前に引っ張り気味にひくようにします.





脳ベラを脳・骨から浮かしてしまうと,手でうっかり押すと先端が脳に突き刺さってしまいます.脳どころか,動脈瘤に突き刺さるおそれも.

先端を効かさないと術野は広くならないし,そのために,手前の脳を押し込みすぎてContusionをつくったりするおそれが.










実際にマイクロで見たところ.
左上のように脳ベラ全体が長く見えるときは,良くないかかり方.
右下のように,脳ベラ全体が短く見える時は,軽い力で術野が展開できるはず.視線の方向と脳ベラの方向が一致するのです.

2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

脳ベラを開頭の辺縁の頭蓋骨に接点を有するようにして、不用意に脳を圧迫しないようにしていたのを参考にしていました。
確か、佐野公俊先生か小林先茂昭生のビデオだったと思います。

いのみちお さんのコメント...

名人の先生方は脳ベラの使い方にこだわりをもっているように思います.クリッピングに夢中になりすぎると,つい,脳ベラの圧迫具合を考えなくなりそうなので,不用意に圧迫しないように気を付けたいと思います.