2009/04/12

interhemiではFalx切開で位置推定

InterhemiでDisital ACA ANにApproachするときにDisorientationになりやすいです.当院では基本的にFrontal sinus開くのを覚悟で,Base側に開頭してProxymal sideからApproachしています.
しかし,Interhemiを剥離してうろうろしてしまうことがあります.
冷静にFalxを切開した部分を考慮してみると,そこからDome方向が推測できるはず.

かなりBase側でFalxを切った場合は,かなり手前にANはあるはず.
Falx切開部からそのまま剥離に進むと,Interhemiのもっともくっついてやりづらい所を操作しなければならない羽目になります.

もっと手前を探してみましょう.
ちなみにDistal ACA ANはFalxとくっついてしまうくらいだから,その程度の深さにあるはず.





Bridging Veinの存在にもよりますが,Frontal sinusが開かないくらいのやや高めに開頭,Falxを切ったときは,わりと近くにANがあるはず.
気づかずに奥を操作していて,ふと気づくとすぐ手前にDomeが顔を出してましたなんて・・・

2009/03/31

手術の最中に画像を見よう

手術中の予期せぬ合併症を避けるためには・・・自分がどこをやっているかOrientationをしっかり把握することが大事.と,脳卒中学会のイブニングセミナーで言ってました.

術者として動脈瘤に向かうとき,または動脈瘤と対面してしまうと,もう夢中になってマイクロから離れたくなくなります.しかし,この時点で記憶しているつもりの画像所見はけっこう曖昧ですね.
Orientationをつける,または動脈瘤に隠れている(SAHに埋もれている)Perforatorをイメージするためには,夢中になっていても一息ついて画像所見をもういちど見に行きましょう.

実は今でも,術者のいすを立つと,術者を変わられてしまうのではないかという不安に駆られてしまうのですが・・・

動脈瘤の手術は,地図を頼りのサイクリングに似ています.術者は,走りながら地図は見ることができない運転手と同じです.記憶を頼りにうろうろすると必ず道に迷います.まして脳内には青看板はありません.そのままクリップをかけるとよけいなものまで噛むかもしれません.面倒でも,気持ちが切れても,立ち止まって地図を見ることが事故を避けるのに必須です.

2009/03/11

慢性硬膜下血腫の血腫量を測定

普通の穿頭洗浄術で,いきなり生食を入れる前にチューブを硬膜下腔に入れて血腫を吸引します.以前はやってませんでした.「吸う」という動作が脳や血管を傷つけたらイヤだったので.

しかし,血腫を吸引してその量を大体把握するといいことがあります.
それは,CT,MRIでの所見に比べて吸引できる血腫量が少ないと,もしかして血腫が2層に分かれていて,その上層しか洗えていないことに気がつくわけです.
おおよそShiftしたり麻痺が出るくらいの血腫なら100mlは越えているでしょう.それに対して20~30mlしか吸えないときは,おかしいと考えてBurrholeから脳表が見えるか確認が必要です.見えなければ,Burrholeからでも隔壁や堅い血腫を破る必要があるかもしれません.

久々の更新の割には小ネタですみません.