2007/09/09

サクションでカウンター

動脈瘤があらわになり,Neckを確保して,クリップを選んで,一回クリップを当ててみて,一息ついて,それではクリップをかけます!
クリップをかけるときに,左手は何を持って何をしてますか?
クリップを速く確実にかけるために,左手を気にして積極的に使いましょう.
その一つとして,クリップを挿入する方向と反対にNeckからカウンターをかける動きがあります.
MCAなどで動きやすい動脈瘤は,ブレードがNeckの奥に滑っていかないで,クリップと動脈瘤が一緒になって奥に動いていってしまうことがあり,そのままクリップを閉めると先端が足りないという事態になりがちです.先端が届かないからと,グイグイ押していると破ってしまうおそれもあります.
そこで,サクションを使ってカウンターを当てて,確実にかけるようにします.
特に有効なのは,図の下側の動脈瘤のように,Neckのはっきりしない滑りやすい動脈瘤です.このような動脈瘤は滑りやすいので,逃げられないようにしっかりとカウンターを当てましょう.
カウンターを当てるところはNeckよりすこしProxymalの母動脈がいいと思います.もちろんDomeそのものに当てるのは危険です.Neckも裂けるかもしれないのでやめた方がいいです.

・・・それと,左手に何を持つかという問題があります.それまでの手術の流れで細いサクションを左手に持っていることが多いかと思いますが,カウンターを当てるには引っかかりが悪いので,玉突き棒のような別のデバイスが使いやすいです.破れてしまったときには,細いサクションでは対応できないので,思い切ってサクション以外のものを持ってみるのをおすすめします.

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