2007/07/05

サクションの使い方その1 「サクション先行!」

マイクロ手術の肝であるサクションの使い方です.
私たちはサクションを積極的に使用しています.
基本的に,あらゆるところでサクションを先行させて,視野をよくしていくという戦法です.
たとえばSylivius裂の剥離ですが,くも膜に一太刀入れたら,その下は「どんどんサクションを入れて」行きます.
SAHだったら血腫を吸って吸って,動脈を露出させ,Trabeculaをさばいていきます.
未破裂脳動脈瘤でもくも膜下にサクションを先行させ,髄液を吸ってSylvian fissure内に空気が入るくらいにして,血管とTrabeculaを見やすくします.

コツは,バイポーラより先に,深くサクションを入れ続けるようにすることです.

くも膜や血管をバイポーラで剥離するときに,上記のことを意識しないと,ついバイポーラより手前でTensionをかけがちです.

そうではなくて,バイポーラより深くサクションを入れて,視野をよくしておいて,サクションの先端ではなく,腹のところで脳や血管にTensionをかけるようにします.

今回は,とにかくサクションを先行させることをお伝えします.また,別の機会に詳しく述べたいと思います.

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