止血したいところの手前に血管があって,一緒に通電してしまう位置関係になってしまうことがあります.
この状況に気づかないと,結構太い静脈をつぶしてしまうおそれがあります.
または,それを避けようとして,あらぬ方向からバイポーラを術野に入れて,なかなか止血できない事態に陥ります.
そんな時は,バイポーラを長軸に90度回転させて,焼きたくない血管にはバイポーラが片側しか接触しないようにしましょう.
これで,無理のないバイポーラのポジション,方向で止血できます.
ただ,どうしても脳表を面で焼きたい時は,バイポーラを縦に出来ないので,バイポーラを入れる方向を工夫する必要があります.
2007/07/27
バイポーラの使い方Tips~手前の血管を焼かないように~
2007/07/05
サクションの使い方その1 「サクション先行!」
マイクロ手術の肝であるサクションの使い方です.
私たちはサクションを積極的に使用しています.
基本的に,あらゆるところでサクションを先行させて,視野をよくしていくという戦法です.
たとえばSylivius裂の剥離ですが,くも膜に一太刀入れたら,その下は「どんどんサクションを入れて」行きます.
SAHだったら血腫を吸って吸って,動脈を露出させ,Trabeculaをさばいていきます.
未破裂脳動脈瘤でもくも膜下にサクションを先行させ,髄液を吸ってSylvian fissure内に空気が入るくらいにして,血管とTrabeculaを見やすくします.
コツは,バイポーラより先に,深くサクションを入れ続けるようにすることです.
くも膜や血管をバイポーラで剥離するときに,上記のことを意識しないと,ついバイポーラより手前でTensionをかけがちです.
そうではなくて,バイポーラより深くサクションを入れて,視野をよくしておいて,サクションの先端ではなく,腹のところで脳や血管にTensionをかけるようにします.
今回は,とにかくサクションを先行させることをお伝えします.また,別の機会に詳しく述べたいと思います.
2007/07/01
脳神経外科速報 2007 7号
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