2008/03/07

慢性硬膜下血腫手術のコツ

慢性硬膜下血腫(CSDH)は,スタンダードにBurrhole開けて,硬膜下腔を生理食塩水で洗浄しています.

術前のCT,MRIでは見えない,血腫の隔壁が存在することが多いです.術後のCTで初めてわかるような.
なかでも隔壁が脳と平行になっていて,血腫が骨側と脳側の2層になっていることがあります.こういうとき,Burrhole開けて洗うと,あっという間に血腫が出なくなり,思ったより血腫量が少ない感じがします.
術後のCTで表面側のみ血腫が無くなり,脳側にたっぷりと残るはめになり,CT室からそのまま術場へ逆戻りになりかねません.
そうならないように,洗浄途中でBurrholeから脳表が見えることを確認しましょう.Burrholeは小さいので,無影灯の角度を調節しなければ見えません.それと,硬膜下腔の血腫を吸引してしまわないと見えません.
これらの工夫をして脳表がちらっとでも見えれば,ちゃんと洗えている可能性が高いです.もちろん,Burrhole部以外のところまでは見えませんが,手術中にこれくらいの気遣いは必要と思います.

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