2007/09/23

開頭血腫除去のコツ02

血腫は必ず見えているところでとる.
Croticotomyをして血腫のあるところまでたどり着いたら,脳ベラなどで,血腫のギリギリ上で皮質を引きます.(図では手前に引いています)引いた分だけ血腫が押し出されるように,出てきます.
直視下の血腫を太めのサクションで吸い出します.
大事なことは,直視下にある血腫のみを吸ったりとったりすることです.
血腫をどんどん吸引して,追いかけていきたくなりますが,脳でブラインドの部分には決してサクションをつっこんではいけません.見えない血管を引き抜いて出血したら,処置に難渋します.直視下の血腫が無くなったら,今度は違う方向の皮質を引いて,出てきた血腫をとりましょう.
余計なトラブルがないことが,血腫取りを早く終わらせるこつの一つです.

2007/09/09

サクションでカウンター

動脈瘤があらわになり,Neckを確保して,クリップを選んで,一回クリップを当ててみて,一息ついて,それではクリップをかけます!
クリップをかけるときに,左手は何を持って何をしてますか?
クリップを速く確実にかけるために,左手を気にして積極的に使いましょう.
その一つとして,クリップを挿入する方向と反対にNeckからカウンターをかける動きがあります.
MCAなどで動きやすい動脈瘤は,ブレードがNeckの奥に滑っていかないで,クリップと動脈瘤が一緒になって奥に動いていってしまうことがあり,そのままクリップを閉めると先端が足りないという事態になりがちです.先端が届かないからと,グイグイ押していると破ってしまうおそれもあります.
そこで,サクションを使ってカウンターを当てて,確実にかけるようにします.
特に有効なのは,図の下側の動脈瘤のように,Neckのはっきりしない滑りやすい動脈瘤です.このような動脈瘤は滑りやすいので,逃げられないようにしっかりとカウンターを当てましょう.
カウンターを当てるところはNeckよりすこしProxymalの母動脈がいいと思います.もちろんDomeそのものに当てるのは危険です.Neckも裂けるかもしれないのでやめた方がいいです.

・・・それと,左手に何を持つかという問題があります.それまでの手術の流れで細いサクションを左手に持っていることが多いかと思いますが,カウンターを当てるには引っかかりが悪いので,玉突き棒のような別のデバイスが使いやすいです.破れてしまったときには,細いサクションでは対応できないので,思い切ってサクション以外のものを持ってみるのをおすすめします.